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【閑話休題】自分の殻を破ろうともしないポスドクなんて要らない

若だんなの新宿通信に出ていた珠玉のことば.

> 博士まで行ったから、「違った道を行く」事がストレスになるんですか?
> この「違った道」というのはどういう道なのでしょうか?
> 大学から出ること自体が「違う道」なのかな。研究者じゃなくなるのが「違う道」なのかな。
>
> 違って道を進めないと、社会には出られないでしょう。
>
> だから、大学から社会に「転職」する気持ちになっては、と書いたんです。
>
> さらに「プライド」に「折り合い」ですか。そのために「科学に携わる」。
> うーん、ちょっと納得しがたいですね。
>
> そんな「プライド」は豚にでもくれてやれ、と一昔前なら企業研修で言われてますね。
>
> みんな「プライド」持ちすぎですよ。まだ何者でもないのに。
> それは「殻」でしょ。ポスドクなんて、さなぎなんだから、破らないと「蝶」になれないでしょ。
> 「さなぎ」の中でもがいているのを、かわいそうだからと手を加えたらば
> 「蝶」にもなれない、どころか、生き物じゃなくなっちゃうよね。
>
> 自分が何もできないという自覚を持って、その上で、何ができるかを確認していく。
> 「プライド」はそれから持ちましょう。
> どんな職につこうが、学生が社会に出るんだから、
> 「やったことがないことをやる」に決まっているじゃないですか。
>
> 博士まで勉強したから身についたものは専門知識だけではないはずなんですよ。
> それを生かしませんか?
>
> そこを説きたいんですね。私は。

殻を破れ,しょーもないプライドなんて捨てよ,なんて新卒のころに言われた言葉.
学士の新卒社員に対する助言と同じようなことを言われることに発奮して,なにくそ
と思わなきゃ,進歩なんてないよね.

逆に,最近の研究現場って, 「やったことがあることをやる」のが主じゃないよね?
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NO NAME

何で(大学での)研究職に博士号取得者が拘るか、ポスドクが本音を誰も言わないから変な方向性の報道がされているんじゃないですか?

ハッキリ言って大学の研究職は楽でオイシイんですよ。
大学生の延長のような気楽さに、公費で好きなことができるというオマケ付きでしょ?

そして、社会に出て働けばストレスフルな毎日が待っている。
それをみんな知っているから、一応は大学研究職に拘るんですよ。

だって、間違っても公に向かって、研究費で学会に参加してついでに観光とか、仕事中にインターネットし放題とか、勤務時間なんてあってないようなものだとか、そんなこと言えませんよね?

学部生のときにそういう研究者の姿を見ちゃっているから、自分も研究者になりたいと自然に思うようになって、モラトリアムとして大学院に進んで・・・、そして特権を諦めきれずに大学研究職にこだわる。

経験を社会に活かす云々より、そういうオイシイ特権を捨てたくないんじゃないですか? ね?

僕は捨てたくないから、未だに拘って研究者やってますけどね。
by NO NAME (2008-08-02 04:19) 

K_Tachibana

NO NAMEさん
コメントありがとうございます.
既においしい特権に預かっている人たちが,これからベンチャーを興そうとかいうケースは稀有でしょうからね.ただ,時代はじりじりと現状維持を許さない環境になりつつある.余裕があるうちは,物見遊山が大いにあって許されたでしょうけど.一概によくないとは言いません.

研究投資してる割に,研究現場から生まれる成果(短期的な「見える」成果に限らない)がすくない.外資の研究支援産業にいるので,他の近隣諸国のアクティビティとの比較は,つねに言われるわけです.日本は比較的研究予算規模としては大きいけど...

私は,敢えて言うとするなら,とくに日本のバイオ研究に関しては「沈みゆく船」だと思っています.ここで何とかしないと,研究人材もろともオシマイだと思います.私も早めに転職しないといけない事態がくる可能性があると思っています.


by K_Tachibana (2008-08-02 05:24) 

NO NAME

僕はベンチャーとかお金になるような研究をするような研究者ではなく、完全な基礎科学の研究者なので、ベンチャーを作るとかいう考えはよく解りません。そんな暇があったら、自分の好きな研究をしたいですし、むしろ、自分のやっていることは国が認めた芸術活動のようなものだと思っていますから、お金儲けのための研究なんて今は興味ありません。国のくれるお金を使って、自分の知りたいことを調べる・・・、ただそれだけです。特許とかにも興味はありません。頼まれればやりますが、義務だとは感じたことはありません。そして、アカデミックに拘るポスドクの多くはそういう考えの人ではないでしょうか? 自分の研究結果の金銭的価値にこだわりのある人は、博士課程には行かないと思いますよ。

確かに日本のバイオ研究は「沈みゆく船」かもしれませんが、大学そのものはなくなりませんし、大学の先生という仕事も多少の変化はあっても消滅はしないと思います。そしてそれに群がる研究者候補生がいるのは、極自然な状態であり、職にありつけなかった人が淘汰されるのも自然なことです。

研究者という芸術家気取りの甘い仕事に大勢が群がった結果として、勝ち組と負け組みに分かれるのは極自然なことであり、負け組みの文句に耳を貸す必要がどこにあるのでしょうか? 他人様のお金で自分の好きなことをしようとしているんですから、それ相応のマイナス面があっても仕方ないのではないでしょうか?
by NO NAME (2008-08-02 20:29) 

K_Tachibana

NO NAMEさん
コメントありがとうございます.
NO NAMEさんが,しめくくりのところで書かれたひと言がポイントなのかなと思います.NO NAMEさんのように,みなさんが割り切っていただけるのであれば,敢えて話題にすることもないですよね.
by K_Tachibana (2008-08-02 20:53) 

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