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【閑話休題】サイエンスカフェのゲストは一線の研究者であらねばならないという呪縛

一部のことだとは思うのですが,サイエンスカフェのゲストスピーカーは一線の
研究者であらねばならないという固定観念でとらえられている方がおられます.

それを私が関わっている「科学ひろば」サイエンスカフェに当てはめてみると,
第1回のときにもと新聞社の科学部の記者の方をゲストスピーカーとしてお呼び
したので,既に「規格外」です.

私の考えているサイエンスカフェは,コミュニケーションが主目的で,トップダ
ウンに情報を伝えることが目的ではありませんので,必ずしもゲストスピーカー
が研究者である必要はないと思っています.こういうのを「サイエンスカフェ」
ではない,というのであれば私が関わっているものは「サイエンスカフェ」では
ないのでしょう.そういう意味において,形骸化した「サイエンスカフェ」に対
する執着はありません.

「学術会議が広めた」というくだりについても,個人的にはまったく賛同してい
ないです.私はしょせん異端だし「規格外」なんですから.

「サイエンスカフェ」っていうのも,とどのつまりコミュニケーションの一形態
でしかないでしょ?


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コメント 13

Paco

サイエンスカフェって意外に浸透していないですよね。
講演会の一形態のように捉えている人が多いです。
それこそポスドクの方に来ていただいて、お話していただいてもいいのでは。
by Paco (2007-09-23 10:19) 

K_Tachibana

Pacoさん
サイエンスカフェって私も浸透してないって思うんですが,中にはもう浸透し切っちゃっていて手あかが付いているくらいだから敢えて私たちがやる意味はないと仰る方々もおられます.私の意見とは真っ向から反対なんですが,間接的にきいた話なので根拠がよくわからないです.もしかすると,私がつくっているサイエンスカフェポータルを見て,こんなに全国で「サイエンスカフェ」が行われているのに...という思いなのかもしれませんね.
内実はPacoさんご指摘のように状況認識が違うんですよね.

ポスドクさんにお話しいただくというのは,私も賛成.わたしがサイエンスカフェに興味をもちはじめたきっかけが,むかし長神さんが未来館在籍時につくりあげたサイエンスエッジです.ゲストの方は30歳前後の現場の研究者で,インパクトファクターの高い雑誌に論文が載ってからすぐに交渉し,その熱い想いを語っていただくというもの.彼は,サイエンスエッジはサイエンスカフェではない,とこだわりを見せていましたが,私はこれをカフェ形式にしたらおもしろいと思って,ずっと構想をあたためていたのです.
by K_Tachibana (2007-09-23 10:30) 

f_nagami

そんなこと、言いましたっけ?よく覚えてないですけど、サイエンスカフェでない、とこだわった、というよりは、あんまりカフェっぽくもねえなあ、って思っていた、というのに近かった、かな。人々の日常に近い場、でやってる訳でないし、お茶一つ飲めないし。初回を除けば、結構、プレゼン
使ってたし。
by f_nagami (2007-09-23 23:36) 

K_Tachibana

フロアじゃなく,5Fのカフェで場所をかえてやればサイエンスカフェって呼んでもいいってものでもないそうです.今度「ぼらカフェ」というボランティアイベントをやりますが,1時間じゃ時間が短いし,ゲストの方からはプレゼン使わせてね♪という嘆願もされたので使ってもらおうとは思っています.お茶やコーヒーは隣りの売り場で買って飲むことも,持ってきた飲み物を飲みながら参加することもできますが,お台場だとたしかに「人々の日常に近い場」ではないですね.おとなりの国際交流村のアパートから見える方もおられるようですが.
by K_Tachibana (2007-09-24 04:13) 

hiramatsu

私たち天プラのカフェでは、スピーカーは常に学生です。「講演会な印象」を取り除くには、やはり若造が出て行くのが効果的だと感じています。

> 私はしょせん異端だし「規格外」なんですから.

もちろん皮肉たっぷりの表現だとは思うのですが、そんなに卑屈になる必要は無いんじゃないですか? いろんなサイエンスカフェがあっていいわけですし、Tachibanaさんが考えるサイエンスカフェも、『呪縛』に囚われているとTachibanaさんが考える方のサイエンスカフェも、「コミュニケーションの一形態でしかない」のですから。プレゼン使うも使わないも、一線の研究者を呼ぶも呼ばないも、そのサイエンスカフェの企画者がそこで何をしたいかによって自由に選べるべきですし、あれがサイエンスカフェだ、それはサイエンスカフェじゃない、という議論は不毛だと感じます。

学術会議が広めたかどうかは、サイエンスカフェやってる方々にアンケートとってみればわかると思います。カフェの運営に関する質問も取り混ぜて、今度のアゴラでやってみるのも面白いかもしれませんね。(11月末は博士論文に追われていて個人的には関わる時間がなさそうなのですが・・。)
by hiramatsu (2007-09-24 15:38) 

Paco

>hiramatsuさん。
ただ、参加する側としては、「若造」の若さだけがウリでも困ります。
しっかりとした流れがないと受け手は物足りなさを感じます。実際、若くなくても、琴線に触れるような内容のサイエンスカフェもあります。それは偏にスピーカーの伝えたいという情熱も関係しているかと。
by Paco (2007-09-24 17:12) 

K_Tachibana

とりまとめますと,
・若いスピーカーさんが出て行くと「講演会的な印象」を
 取り除くのに効果的
・若いスピーカーさんであっても,しっかりした流れがな
 いと受け手は物足りなさを感じる
・若いスピーカーさんでなくても,琴線に触れるような内
 容のサイエンスカフェもある
・サイエンスカフェの形式はひとそれぞれ.企画者がなに
 をしたいかによって自由に選ぶべき
・学術会議が広めたかどうかは,サイエンスカフェをやっ
 いる方にアンケートをとって聞いてみればよい(サイエ
 ンスアゴラで聞いてみるのもひとつの方法)
といったことですね.

私も手法にはこだわってないですよ.目的ありきですから.
Pacoさんのスピーカーの伝えたいという情熱は,さじ
加減が必要かなあとは思います.伝えたい情熱が先走りす
ると「講演会的な印象」にどんどん近づいていく場合があ
ります(経験あります).伝えたいという情熱と,参加者
の聞きたい,対話したいという気持ちのバランスがうまく
均衡点に達したものが,よいサイエンスカフェといえるの
かもしれません.

あと,私はサイエンスカフェのもつスタイルが好きですが
「講演会的な印象の」講演会も決して嫌いじゃないですよ.

たとえば先週,政策技術大学院大学であった ,国立天文台
の小久保英一郎さんのセミナー.少人数(20人未満)で
あとの質問などもたっぷりあって,ほとんどプライベート
な空間に小久保さんを独占できたという至福の時間を過ご
すことができました.
by K_Tachibana (2007-09-24 17:46) 

K_Tachibana

学術会議が広めたかどうかのアンケートについては,サイエ
ンスアゴラのサイエンスカフェに関するワークショップの中
で聞いてみるようにしますね.アイディアをご提案いただき
ありがとうございます.
by K_Tachibana (2007-09-24 17:48) 

Paco

>伝えたい情熱が先走りすると「講演会的な印象」にどんどん近づいていく場合があります(経験あります)

そうなんですか。More is not always betterなんですね。

>ほとんどプライベートな空間に小久保さんを独占できたという至福の時間を過ごすことができました.

これは本当にうらやましいです。
by Paco (2007-09-24 17:57) 

K_Tachibana

>>ほとんどプライベートな空間に小久保さんを独占できたという至福の時間を過ごすことができました.
>
>これは本当にうらやましいです。

また,来年もセミナーがあると思いますが,小久保さんじゃないかもしれません.いずれにせよ,気づいたらお知らせしますね.
by K_Tachibana (2007-09-24 18:59) 

f_nagami

学術会議がこの国でのサイエンスカフェの発展にどれだけ寄与したかは、結構、複雑なものだと思います。僕個人は結構ポジティブに評価してます。少なくとも、全国区のテレビ放送に乗ったのは、あれだけで2度あったわけで。「広めた」対象としては、イベント来場者のアンケートでは測れないところにいる相手が主体だったような気がします。
by f_nagami (2007-09-24 23:27) 

hiramatsy

コメントへの返信ありがとうございます。いろいろ言葉たらずですみません。tachibanaさんに反論しようとするわけではなくて、単に私の意見です(意見の趣旨としては、むしろtachibanaさんに近いものかもしれません)。
もちろん、私も学生がベストであるかどうかはわかりません。ひとつの選択肢ということで。ただ、『権威性をなくす』『会話を促す』という点では有効な手法の一つだと感じています。僕たちの人選も「若さ」だけではなくて中身も重要視してます。でも、場合によっては、「多くの皆さんに専門家(≒学者)を育てていただく」という面もあっていいかなぁとおもいます。「コミュニケーション能力に欠ける」と言われがちな博士学生に、"ガチンコ"コミュニケーションを体験してもらう、という意図もあります。いずれにしても「タコツボ」科学者が通用しない時代だと思いますので、「研究者養成」の面からも、(色々ありますがとりあえずひとまとめに)サイエンスカフェのようなイベントは、それなりの役割を持っているんだと思います。

> 学術会議がこの国でのサイエンスカフェの発展にどれだけ寄与したかは、
> 結構、複雑なものだと思います。僕個人は結構ポジティブに評価してます。

そう思います。サイエンスカフェという名前だけ、という場もあるかもしれませんが、少なくとも(プラスマイナス取り混ぜて)科学と人を繋ぐ場ができたという意味では、一歩前進と言っていいのかな、と思います。
長くなってすみません。
by hiramatsy (2007-09-25 00:06) 

K_Tachibana

hiramatsuさん,Pacoさん,f_nagamiさん
本日,正式にサイエンスアゴラ2007がプレス発表され,サイエンスカフェの開催内容が公になりました.「サイエンスカフェって何?〜できることをさぐろう」というワークショップを24日17時より,未来館7Fの会議室3におきまして開催致しますので,もし時間が合うようでしたら議論に参加していただけますと幸いです.
どうぞよろしくお願い致します.
by K_Tachibana (2007-09-25 21:58) 

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