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【閑話休題】脳科学コミュニケーターって何?

今日,午後に傍聴した脳科学委員会で配られた「長期的展望に立つ脳科学研究の基本
的構想及び推進方策について(審議経過報告)(案)」の中に,「脳科学コミュニケ
ーター」という耳慣れない用語が登場している.

「若手脳科学研究人材育成とキャリアパスの多様化」という項目のなかの「キャリア
パスの多様化」の一節に書かれているものだ.

 脳科学は,教育,福祉,マーケティング,ロボティクスなど産業界と多様な接点を
持つため,脳科学の専門的・先端的知識を有する優れた学生やポストドクターは,大
学における研究職・教育職のみならず,様々な場でも活躍できる可能性を有している.
そのため,大学や研究機関等においては,企業等への就職がスムーズに行われるよう
産業界にとっても魅力的な人材となるような教育を行うなど,キャリアパスの多様化
に向けた取組が期待される.

 キャリアパスの一例としては,初等中等教育における理科教員が考えられる.専門
的・先端的知識を有する人材により,脳科学に関する教育を早期から充実させること
は,脳科学の持続的な発展にとって非常に重要である.また,若手研究者が,教育ス
キルを習得するのみならず,既に現場にいる教師に対して,脳科学研究の先端的内容
に触れる機会を与えることにも通じる.

 さらに,脳科学に関するサイエンス・コミュニケーションとして,脳科学研究に携
わる研究者による出前講義,高校生を対象とした脳科学セミナー,サイエンス・カフ
ェ等を開催することにより,国民の理解を得ながら脳科学研究を発展させていくこと
が可能となるといった効果も得られる.そのため,大学院修了者やポストドクターの
経験者に対して,脳科学に関するコミュニケーションのスキルを身につけさせる機会
を提供し,脳科学コミュニケーターの育成を促進することも望ましい.


ポスドク対策の一環としての文脈のなかで語られているように読み取れる.

来年1月ごろを目途に,第一次答申案(中間とりまとめ)が科学技術・学術審議会で
審議された後,パブリックコメントが計画されているので,この機会に意見を出すの
がよいと思われる.
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コメント 4

若だんなat新宿

気持ち悪いですね。
自分たちのことだけだ。

脳科学を超えて、科学一般になぜ目がいかない。
まあ、一般のことをかけないんだろうけどね。

パブコメだす気にもならない。

by 若だんなat新宿 (2008-08-19 22:43) 

K_Tachibana

書いている人たちが身内(脳科学委員会調査検討作業部会)だけ,
しかも意見を聞いているのがさほど身内から遠くない範囲の人たち
(脳科学委員会)なので,こういう内容になるのではないかと.

長神さんのところでやっている「脳カフェ」もこの範疇に入るのかも.
by K_Tachibana (2008-08-19 22:47) 

仙台通信

傍聴、お疲れ様でした。
少し誤解があるようなので補足しておきますが、この「脳科学委員会」は「脳科学推進の必要性・重要性」について答申をまとめる会ですので、一般化した「科学コミュニケーション問題」にはならないような書きぶりになっているのです。
キャリアパス問題の箇所も同様の問題があるのですが、委員は一般的に重要であることは重々認識した上で、この答申をどうまとめるのか、について議論しています。
一般的な問題については、例えば「人材委員会」等で扱われることでしょう。
by 仙台通信 (2008-08-19 23:14) 

K_Tachibana

仙台通信さん
コメントありがとうございます.

今回の答申案は,委員会の中でも異論があったくらいなので,そのまま前提抜きで外部の人が読むと「自分たちのことだけ」と捉えられるのは仕方ない部分があると感じました.

これから,傍聴内容をまとめようと思いますが,状況説明を付して参加されている方や傍聴者の方以外に理解されるような書きぶりにするのに手間がかかりそうです.表現が難しいですね.
by K_Tachibana (2008-08-19 23:55) 

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